クローディン18.2タンパク陽性胃がんにおける臨床病理学的特徴の解明:多施設共同研究 | 大阪府済生会吹田病院

クローディン18.2タンパク陽性胃がんにおける臨床病理学的特徴の解明:多施設共同研究

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クローディン18.2タンパク陽性胃がんにおける臨床病理学的特徴の解明:多施設共同研究

大阪府済生会吹田病院消化器内科では、他の施設と協力して胃癌の患者さんを対象に、クローディン18.2タンパク陽性の胃癌における臨床病理学的特徴を明らかにする臨床研究を実施しております。
実施にあたり大阪府済生会吹田病院倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けて実施しています。

研究の目的

クローディンは細胞と細胞が互いに接着し、組織を形成する際に中心的な役割を担う膜貫通型タンパク質です。その1つであるクローディン18.2は正常細胞では胃粘膜上皮細胞に局所的に発現し、胃癌組織でも発現が保持されています。クローディン18.2を標的にした治療薬であるゾルベツキシマブが開発されて実用化に至っています。クローディン18.2の発現については、免疫組織化学染色で腫瘍細胞の75%以上で中等度から強い染色強度を示すものをクローディン18.2陽性としますが、臨床試験においてスクリーニングされた患者の約38%が陽性と報告されています。

しかし、実臨床ではクローディン18.2陽性となる胃癌の臨床的な特徴や組織・細胞レベルでの特徴が明らかになっていません。本研究により、クローディン18.2タンパク陽性胃癌の臨床的な特徴や病理学的な特徴が明らかになり、胃癌の適切な治療方針が確立できる可能性があります。また、切除不能進行再発胃癌では抗クローディン18.2モノクローナル抗体であるゾルベツキシマブが使用可能です。ゾルベツキシマブによる治療は高い効果が得られる可能性がある一方で、治療効果を予測する因子については完全には明らかにされていません。本研究では、ゾルベツキシマブ使用例を含めたクローディン18.2の発現を調査した胃癌症例の治療成績や予後を探索します。そのため本研究は、胃癌治療の選択を行ううえでも有用である可能性があります。

対象となる方について

2024年3月14日から2025年5月31日の間に、大阪府済生会吹田病院及び関連施設14施設で胃癌に対してクローディン18.2タンパクの発現を調べられた方

研究期間

2025年9月23日から2030年5月31日

試料・情報の利用及び提供を開始する予定日

利用開始予定日:2025年10月1日

方法

大阪府済生会吹田病院及び関連施設14施設において胃癌に対してクローディン18.2タンパクの発現を調べられた方で、診療録(カルテ)より以下の情報を取得します。治療効果と取得した情報の関連性を分析し、クローディン18.2陽性胃癌の臨床的な特徴や病理学的な特徴について調べます。
研究に用いる試料・情報について 情報:年齢、性別、身長、体重、ECOG-PS、喫煙歴、飲酒歴、 血液検査所見:血算(白血球数、好中球数、リンパ球数)、生化学(総蛋白、アルブミン、CRP)、血清腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)、 病理検査所見:手術症例におけ病理所見、内視鏡生検検体における組織型、内視鏡生検検体の個数、胃癌陽性検体の個数、クローディン18.2陽性の有無、クローディン18.2陽性率、HER2発現、MSI/MMR発現、PD-L1発現、画像検査所見:転移臓器数、肝・肺・遠隔リンパ節・骨転移の有無、腹膜播種の有無、腹水量、病変局在、Bormann分類、腫瘍径、深達度、木村竹本分類、病変周囲の腸上皮化生の有無、治療内容ほか:原発巣切除歴の有無、切除検体の病理所見、化学療法内容、無増悪生存期間、奏効率、全生存率、初回効果判定(Response Evaluation Criteria in Solid Tumours version 1.1を用いる) 等
個人情報の取り扱いについて 患者さんのカルテ情報をこの研究に使用する際は、氏名、生年月日などの患者さんを直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。患者さんと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、インターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、患者さんが特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は、厳重な管理を行い、患者さんの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
試料・情報の保存について カルテから抽出した情報は原則としてこの研究のために使用し結果を発表したあとは、研究代表責任者である京都府立医科大学消化器内科研究室において助教・岩井 直人の下、10年間保存させていただいた後、研究用の番号等を削除し、廃棄します。
研究資金及び利益相反について 利益相反とは、寄附金の提供を受けた特定の企業に有利なようにデータを操作する、都合の悪いデータを無視するといった、企業等との経済的な関係によって、研究の公正かつ適正な実施が損なわれるまたは損なわれているのではないかと第三者から懸念される状態をいいます。本研究に関する利益相反については、研究代表機関の京都府公立大学法人の利益相反に関する規程、京都府立医科大学の臨床研究に係る利益相反に関する規程等にしたがって管理されています。
本研究は大学運営交付金(教室費)により実施します。本研究の実施にあたり、開示すべき利益相反はありません。
本学所属以外の研究者に関する利益相反については、それぞれが所属する機関において適切に審査、管理されています。

研究組織

研究責任者

  • 京都府立医科大学 消化器内科 助教 岩井 直人

研究担当者

  • 京都府立医科大学 消化器内科 大学院生 岡 浩平
  • 京都府立医科大学 消化器内科 大学院生 小原 知也
  • 京都府立医科大学 消化器内科 大学院生 伊谷 純一郎
  • 京都府立医科大学 消化器内科 大学院生 曽根 大暉
  • 京都府立医科大学 消化器内科 病院助教 瀬谷 真由子
  • 京都府立医科大学 消化器内科 病院助教 榊田 智喜
  • 京都府立医科大学 消化器内科 学内講師 土井 俊文
  • 京都府立医科大学 消化器内科 講師 土肥 統
  • 京都府立医科大学 消化器内科 講師 石川 剛
  • 京都府立医科大学 消化器内科 准教授 山口 寛二
  • 京都府立医科大学 医療フロンティア展開学 准教授 髙木 智久
  • 京都府立医科大学附属北部医療センター 助教 吉田 拓馬
  • 京都府立医科大学附属北部医療センター 准教授 堅田 和弘

共同研究機関

  • 京都第一赤十字病院 消化器内科 医長 吉田 寿一郎
  • 舞鶴医療センター 消化器内科 医長 宮﨑 啓
  • 市立福知山市民病院 消化器内科 副医長 福井 勇人
  • 京都中部総合医療センター 消化器内科 部長 小木曽 聖
  • 済生会吹田病院 消化器内科 医長 寺崎 慶
  • 京都済生会病院 消化器内科 医長 山内 克真
  • 京都きづ川病院 消化器内科 統括部長 辰巳 菜津子
  • 市立奈良病院 消化器内科 医長 奥田 隆史
  • 市立大津市民病院 消化器内科 医長 全 圭夏
  • 済生会滋賀病院 消化器内科 副部長 石田 紹敬
  • 近江八幡市立総合医療センター 副部長 北江 博晃
  • 明石市立市民病院 医長 遠藤 雄基
  • 京都市立病院 肝臓内科部長 桐島 寿彦
  • 京都山城総合医療センター 消化器内科 医員 朝枝 興平

お問合せ先

患者さんのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。 また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2025年10月31日までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

大阪府済生会吹田病院消化器内科
職・氏名 医長・寺崎 慶(てらさき けい)
電話:06-6382-1521(代表)
受付可能時間帯 月曜~金曜・9時~17時(年末年始を除く)

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