脂肪肝(NAFLD)患者における長期予後および各種疾患発症率に関する研究 | 大阪府済生会吹田病院

脂肪肝(NAFLD)患者における長期予後および各種疾患発症率に関する研究

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脂肪肝(NAFLD)患者における長期予後および各種疾患発症率に関する研究

肝生検にて脂肪肝(NAFLD)の診断を受けられた患者さんへ

当院で過去に肝生検を受け、脂肪肝(NAFLD)と診断された患者さんを対象に、診療録の調査を行い、脂肪肝患者さんがどのような病気になりやすいか、また、どのような病気で死亡するかを調査させていただきます。

1.研究計画名

脂肪肝(NAFLD)患者における長期予後および各種疾患発症率に関する研究

2.研究の意義・目的

わが国に脂肪肝患者は1000万人以上おり、その内の20%(約200万人)は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)であり、脂肪肝から肝硬変・肝臓癌に進行し死亡する患者さんがいますが、その頻度は明らかでありません。また、脂肪肝患者の多くはメタボリックシンドロームを合併しており、心筋梗塞、脳梗塞などの循環器系疾患を合併しやすいことが以前から知られています。
脂肪肝において、並存する循環器系疾患と肝疾患の進行のどちらが患者さんの臨床経過や寿命に影響を与えるかは未だ明らかでありません。また、脂肪肝患者さんの死亡原因や、発症しやすい疾患は、一般人と比べて差があるのか、さらに、肝組織の状態により差があるのか、未だよくわかっていません。
当院にて肝生検で診断した脂肪肝患者さんを対象に、脂肪肝の経過、寿命や、各種疾患の発症率、また、それらに影響を与える肝組織の状態の影響を明らかにすることを目的にしています。

3.研究計画の概要について

当院において肝生検で診断された脂肪肝(NAFLD)患者さんを対象に、診療録のデータを収集し、脂肪肝患者さんの脂肪肝の経過、寿命や様々な病気の発症率を調べます。それらに対して非アルコール性脂肪肝炎(NASH)であることやNASHの進行度が影響を及ぼすのかを検討します。

4.研究期間

2021年3月1日~2030年12月31日

5.研究方法

本院で肝生検において過去に診断された、もしくは今後診断される脂肪肝(NAFLD)患者さんを対象とし、診療録から脂肪肝患者さんの脂肪肝の経過、寿命や死亡原因、治療のために入院を要した疾患の発症率の検討を行います。

  • 脂肪肝を組織学的にNASHの有無およびNASHの線維化進行度により分類します。また、肝脂肪化、肝実質の炎症、肝細胞風船化の程度により分類します。それらの肝組織の違いによる患者さんの脂肪肝の経過、寿命や、各種疾患の発症率の差を検討します。
  • 肝生検時における肝線維化マーカーの血液検査や、画像検査、身体所見、各種生活習慣病の合併の有無などにより2-3群にわけ、同様の検討をおこないます。
  • 経過中における脂肪肝や各種生活習慣病のコントロールの良悪により脂肪肝患者を2-3群にわけ、同様の検討をおこないます。
  • NASH手帳の利用、栄養指導の受講、運動などの生活習慣に影響する行為に関して同様の検討をおこないます。
  • 信頼性の高い結果を得るために、他施設と共同研究を行う場合があります。その際、当院のデータを匿名化した上で、他施設に提供することがあります。

6.予測される危険や不利益

この研究では診療で得られたデータを使用するので、患者さんに新たな負担を生じる可能性はありません。

7.個人情報の取り扱いについて

情報はすべて匿名化され、個人が特定されることはありません。また、研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。
本研究に登録したくない場合は、消化器内科担当医までご連絡ください。申し出がなかった場合には、登録を了承していただいたものとさせていただきます。なお、登録を拒否されても、患者さんになんら不利益を生じることはありません。

8.問い合わせ、苦情等の窓口の連絡先等について

この研究についてのお問い合わせ先は大阪府済生会吹田病院において受け付けております。

お問い合わせ
大阪府済生会吹田病院
島 俊英(研究責任者)岡上 武、水野雅之、光本保英、 片山貴之、大矢寛久、安福智子、酒井恭子、北川祐子(研究担当者)
06-6382-1521