重炭酸ナトリウムボーラス投与を用いた緊急経皮的冠動脈形成術後の造影剤腎症予防効果に関する臨床研究 | 大阪府済生会吹田病院

重炭酸ナトリウムボーラス投与を用いた緊急経皮的冠動脈形成術後の造影剤腎症予防効果に関する臨床研究

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重炭酸ナトリウムボーラス投与を用いた緊急経皮的冠動脈形成術後の造影剤腎症予防効果に関する臨床研究

済生会吹田病院で治療を受けられた患者さんへ

当院では、以下の臨床研究を実施しておりますのでお知らせいたします。
下記の概要についてご確認いただき、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんにご了承いただけない場合には、試料・情報を用いませんので、以下の「お問い合わせ先」までお申し出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。本研究は、済生会吹田病院の倫理審査委員会で審査され許可を得て行います。

1 対象となる方

西暦2020年1月1日より2020 年12 月31 日までの間に、急性心筋梗塞のため入院し、心臓カテーテル治療を受けた方

2 研究課題名

承認番号:2021-48
研究課題名:重炭酸ナトリウムボーラス投与を用いた緊急経皮的冠動脈形成術後の造影剤腎症予防効果に関する臨床研究

3 研究期間

臨床研究を公表した日から2023年12月31日まで

4 本研究の背景

急性心筋梗塞の治療として心臓カテーテル治療をするときに、造影剤によってカテーテルが通る血管を見えるようにする必要があります。しかし、造影剤を使用したことにより合併症がわずかですが生じる可能性があります。合併症のなかでも造影剤腎症は患者さんの寿命に悪影響を与えるのではないかと考えられています。
造影剤腎症の予防方法はまだ確立されておりませんが、造影剤使用6~12 時間前から生理食塩水を輸液することが造影剤腎症予防に有効であるといわれております。
しかし、急性心筋梗塞の患者さんに対しては、一刻も早くカテーテル治療を行うことが不可欠なため、数時間前から生理食塩水の点滴を行うことができません。
造影剤腎症に対するほかの予防方法としては、重炭酸ナトリウムという薬剤を造影剤使用の直前に投与することで造影剤腎症を予防できる可能性があるという研究がいくつかあります。

5 本研究の目的・意義

現在、わたしたちは急性心筋梗塞の患者さんにおいて、重炭酸ナトリウムがほんとうに造影剤腎症を予防できるかどうかを調べる研究を行っています。本研究によって、造影剤腎症を予防する新たな方法のエビデンスが得られます。

6 研究の方法

重炭酸ナトリウムがほんとうに造影剤腎症を予防できるかどうかを調べるには、本来であれば重炭酸ナトリウムを使う・使わない、をランダムに決める臨床試験を行います(ランダム化臨床試験といいます)。しかし、緊急に手術を行わなければならないため、治療法をランダムに決めている時間がありません。そのため、(現在の標準治療である)重炭酸ナトリウムを使わなかった場合の結果は、過去に急性心筋梗塞のため入院し、心臓カテーテル治療を受けた患者さんのデータを使わせていただき、いま行っている臨床試験(同意を得られた方全員に重炭酸ナトリウムを使う)の結果と比較することで重炭酸ナトリウムがほんとうに造影剤腎症を予防できるかどうか、を明らかにします。すでに治療が完了している患者さんのデータを使用するので、今後検査や治療を追加で行うことはありませんし、不利益となるような合併症などもありません。

7 本研究で使用する診療情報

研究対象者識別番号、同意所得日、性別、生年月日、身長・体重、診断名、合併症および既往歴、併用薬の有無、心エコーデータ(左室駆出率)、血液検査データ

8 プライバシーの保護について

  • 本研究で取り扱う患者さんの個人情報は、氏名および患者番号のみです。その他の個人情報(住所、電話番号など)は一切取り扱いません。
  • 本研究で取り扱う患者さんの診療記録、臨床検査データ(血液、尿)、診断用画像(心エコー)は、個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものか一切わからない形で使用します。
  • 患者さんの個人情報と、匿名化した診療記録、臨床検査データ(血液、尿)、診断用画像(心エコー)を結びつける情報(連結情報)は、本研究の個人情報管理者が研究終了まで厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。研究終了5年後に抹消し、破棄します。
  • 連結情報は当院内のみで管理し、他の共同研究機関等には一切公開いたしません。
  • 本研究の成果は学会や学術誌などで公開される予定ですが、その場合も個人が特定されないよう集計した結果のみ公開します。ですので、個人が特定される情報が公開されることはありません。

9 研究実施体制

本研究は、奈良県立医科大学附属病院を代表機関として、以下の研究機関と共同で研究を行います。

共同研究機関 研究責任者

  • 奈良県立医科大学附属病院 循環器内科(代表機関) 斎藤 能彦
  • 奈良県西和医療センター 土肥 直文
  • 奈良県総合医療センター 川田 啓之
  • 市立奈良病院 堀井 学
  • 大阪府済生会吹田病院 石神 賢一
  • 大和橿原病院 中嶋 民夫
  • 筑波大学附属病院 渡部 浩明
  • 東京都立墨東病院 安倍 大輔
  • 信州大学医学部附属病院 桑原 宏一郎
  • 日本大学医学部附属板橋病院 奥村 恭男

10 お問い合わせ

本研究に関する質問や確認のご依頼は、以下の「お問い合わせ先」までご連絡下さい。
また本研究の対象となる方またはその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、情報の利用や他の研究機関への提供の停止を求める旨のお申し出があった場合は、試料・情報を用いないように適切な措置を行いますので、その場合も以下の「お問い合わせ先」までご連絡下さい。

お問い合わせ先
大阪府済⽣会吹⽥病院 循環器内科
(研究代表者)石神 賢一
06-6382-1521(代表)06-6382-1521