肝疾患に関するバイオマーカーの研究 | 大阪府済生会吹田病院

肝疾患に関するバイオマーカーの研究

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肝疾患に関するバイオマーカーの研究

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断・治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

今回、本院では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に対する血清バイオマーカーの有用性を検討する臨床研究を実施いたします。この研究は、過去の通常診療時に採取された肝臓の組織片と血液サンプルおよび診療録等を使用して行う研究です。過去に本院で、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が疑われ診断・治療を受けられた患者さんを対象といたしまして、採取された肝臓の組織片と血液サンプルおよび診療録等を使用させていただきます。

研究課題名

肝疾患バイオマーカーの研究

研究の目的

現在、最も診断確度が高い非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断方法は、針を刺して採取した肝臓の組織を評価する病理診断法です。しかし、病理診断法は患者さんの肝臓組織を採取するため入院が必要になる等、患者さんの負担が大きい方法です。

この研究は、NASHおよび非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者さんを対象として、NASHの血清バイオマーカーの性質を調べ、血液検査による診断法の有用性を検討します。

NASHに対する血清バイオマーカーの中には、NASHに伴って血液中で増加するものの、肝臓での症状との関係が明らかにされていないものがあります。この研究ではそのような血清バイオマーカーについて肝臓での変化を調べ、血液中での増加との関係を評価します。血清バイオマーカーの血液中での増加と肝臓での変化が密接に関係することが明らかになれば、そのバイオマーカーが有用であることが示され、将来的に、患者さんの負担が小さい血液採取のみでNASHの診断が可能となるのではないかと考えています。

研究の方法

対象となる患者さんについて

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)確定診断のために、2011年7月から2015年4月の間に肝生検を実施し、それにより採取した病理組織、および肝生検の前後3ヵ月間に採取した血液サンプルが保存されている非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者さんのうち、採取した組織や血液を肝疾患の研究に将来使用することにご同意いただいた患者さん。

調査するサンプル、情報について

血液検査

保存されている血液サンプルを用いて検査します。

病理検査

保存されている肝臓の組織を検査します。

診療情報の収集

保存されている肝臓の組織を採取した頃の患者さんの健康状態に関する情報を、カルテなどから収集します。

共同研究機関へのサンプル、診療情報の提供

研究に必要な検査や分析等を実施するため、肝臓の組織片と血液サンプルの一部、および診療情報の一部について、匿名化し個人が特定できないようにしたうえで、共同研究機関である大日本住友製薬株式会社へ提供します。

個人情報の取り扱いについて

情報はすべて匿名化され、個人が特定されることはありません。また、2017年4月1日以降、この研究の成果を公表する可能性がありますが、公表する場合でも個人が特定されることはありません。

ご自身、あるいはご家族のサンプルや情報をこの研究で利用することにご同意いただけない場合には、消化器内科担当医までご連絡ください。患者さんのサンプル、情報の利用を拒否されても、患者さんに不利益を生じることは一切ございません。