手術支援ロボット「ダヴィンチ」を更新しました
2017年3月に導入した手術支援ロボット「ダヴィンチSi」を、2023年9月に最上位機種の「ダヴィンチXi」に更新しました。
前立腺癌は男性に発生する癌の中で最も多いがんといなっており、長寿となっている昨今更に増加が見込まれるがんです。
PSA (「前立腺特異抗原」による検診などで早期発見できれば根治可能であり、早期がんの場合5年生存率はほぼ100%と言われています。
根治療法の代表は手術療法ですが、ほぼすべての手術は手術支援ロボットを用いたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RARP) となっています。
当院ではダヴィンチSi®によるRARPを施行しておりましたが、2023年9月30日に、最上位機種であるダヴィンチXi®に更新いたしました。
本体の形状が変化したことやロボットアームが細くなったこと、使用できるデバイス(ハサミや鉗子など)が増えたことなどから、より自由度の高い配置が可能になり、ロボットアームの干渉も非常に低減されたことから、より安全な手術が可能となりました。
前立腺がんの治療を受けておられる方、今後治療を受ける予定の方など前立腺がん治療に関してご相談があればいつでも済生会吹田病院泌尿器科を受診ください。状況に応じてみなさんとごいっしょに治療についてご相談させていただきます。
ロボット手術・低侵襲治療センター科長 中村晃和
手術支援ロボットとは?
1990年代にアメリカで開発された手術支援ロボットで、日本国内では2009年に医療機器としての認可を受けました。患者さんの身体への負担が少ない(低侵襲)腹腔鏡手術の技術を用いて、より複雑な内視鏡手術を可能とするために開発されました。高画質で立体的な3D手術画像のもと、人間の手の動きを正確に再現する装置で、外科医は鮮明な画像を確認しながら、人の手首よりはるかに大きく回転する手術器具(鉗子)を使用し、繊細な内視鏡手術を行うことができます。ロボットが自動で手術をするのではなく、外科医の操作によって手術が行われます。
低侵襲手術支援ロボット
手術支援ロボットは、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。
高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現する装置です。
術者は鮮明な画像を見ながら、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具(鉗子)を使用し、精緻な手術を行うことができます。
ロボット支援手術は完全に医師の操作によって実施されます。
手術支援ロボットはサージョンコンソール、ペイシェントカート、ビジョンカートの3つの機器によって構成されています。
低侵襲ロボット支援手術の特長
1.体への負担が少ない
数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者さんの負担が軽減されます。
2. 鮮明な3D(3次元)画像
コンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。
3. 精密な動きを再現
医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。 ダビンチの鉗子はリスト構造を持ち、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備えています。
よくあるご質問(FAQ)
- ロボットによる手術は怖い気がします
- ロボット支援手術は、認定資格を取得し、トレーニングを積んだ医師によって行われます。医師をサポートするのがロボットの役割で、手術支援ロボット自身が勝手に動作することはありません。 医師がロボットを活用し、より精緻に行う手術とお考えください。