心臓血管外科科長(部長)
当科は腹部以下の末梢血管外科を専門としています。平成25年4月より川田の1名体制となっており、京都府立医科大学 心臓血管外科の協力のもと下肢静脈瘤や末梢動脈性疾患等に対する手術を行い、他に虚血性潰瘍・壊死や静脈うっ滞性潰瘍、糖尿病性足病変等に対する創傷治療、深部静脈血栓症に対する抗凝固・線溶療法等を行っています。
下肢静脈瘤に対する治療は、抜去切除術を標準術式としてきましたが、平成28年3月末より血管内焼灼術を導入しました。少し前に登場したレーザーよりもさらに身体への負担が少なく、疼痛や術後の皮下出血の発生も低い高周波(ラジオ波)を用いています。またBarady hookという特殊な器具を用いたstab avulsion法で瘤切除を行うことによって、従来よりも小さな切開で手術することが可能になりました。2泊3日の入院で行いますが、軽症例は通院で高位結紮術を必要があれば外来で硬化療法も行っています。
末梢動脈性疾患に対しては、薬物(抗血小板剤や血管拡張剤)投与や運動療法で十分な改善が得られない跛行症例や、安静時疼痛や潰瘍・壊死を伴う重症虚血肢症例に対して、積極的に血行再建(血管内治療、血栓内膜摘除術や人工血管や自家静脈によるバイパス術、あるいは両者の組合せによるハイブリッド治療)を行っています。血管内治療は当院放射線科および奈良県立医科大学 放射線科と連携して行っています。
重症下肢虚血や糖尿病性足病変の症例は、可及的に下肢救済(救肢:大腿や下腿での大切断を回避すること)を目指す方針としています。ABI、TBI、皮膚潅流圧(SPP)測定等によって血行再建の要否を判断し、血流が不十分な場合は3D-CTや血管造影検査結果に基づいて血行再建を行い、血流が十分な場合は局所陰圧閉鎖療法や種々の外用剤・被覆剤を用いた最新の治療により、適切な創治療環境を整えて治癒へと導いています。これらの治療は、放射線科、糖尿病内科、腎臓内科、循環器内科、皮膚科、形成外科、整形外科、麻酔科等の医師、リハビリテーション科の理学療法士・作業療法士、薬剤師、管理栄養士等と連携して行っています。
平成19年より、皮膚・排泄ケア認定(WOC)看護師を筆頭とする院内のフットケアチームと連携して、入院患者のフットケア回診を行ってきましたが、糖尿病や透析合併症例の増加に伴って、退院後も継続してフットケアを行う必要性を痛感しました。また、重症下肢虚血や糖尿病、静脈うっ滞等で下肢に潰瘍や壊死を認める症例の救肢率向上のためには、ゲートキーパーが必要であることを自覚し、当科が主体となって、平成23年4月よりフットケア外来を開設しました。現在当科医師以外にWOCおよび院内フットケアチームの看護師、義肢装具士、皮膚科医師等が参加して、創傷処置のみならず、爪や胼胝・鶏眼の処置、SPP等での血流評価、フットウェアの作成や調整等を行っています。
下肢静脈瘤に対しては高周波(ラジオ波)を用いた血管内焼灼術とstab avulsion法による瘤切除を標準術式とし、低侵襲で安全な手術を行っていきたいと思います。
また、重症下肢虚血や糖尿病性足病変の症例に対しては、可及的早期に介入して血流再建や創傷処置を行い、最新の創傷治療を取り入れながら救肢率をさらに向上させるように努力します。また、皮膚科や形成外科と連携をさらに強化して、植被や筋皮弁等を積極的に導入し、少しでも早期に社会復帰できるように努めていきたいと考えています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
---|---|---|---|---|
新入院患者数 | 119 | 113 | 101 | 70 |
退院患者数 | 123 | 114 | 104 | 71 |
在院患者数 | 2,979 | 1,995 | 2,570 | 2,212 |
入院延数 | 3,102 | 2,109 | 2,674 | 2,283 |
1日平均患者数 | 8.5 | 5.8 | 7.3 | 6.3 |
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
---|---|---|---|---|
新患者数 | 280 | 203 | 181 | 185 |
延患者数 | 3,434 | 3,001 | 2,902 | 3,055 |
1日平均患者数 | 11.9 | 11.3 | 10.9 | 11.4 |
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 7 | 4 | 7 | 10 | 7 | 10 | 9 | 8 | 9 | 11 | 9 | 7 | 98 |
2016年度 | 9 | 4 | 12 | 9 | 10 | 8 | 10 | 10 | 8 | 7 | 11 | 13 | 111 |
2017年度 | 7 | 11 | 6 | 9 | 8 | 9 | 8 | 12 | 14 | 10 | 10 | 7 | 111 |
2018年度 | 8 | 7 | 10 | 10 | 12 | 12 | 12 | 12 | 13 | 13 | 7 | 15 | 131 |
術式 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
下肢静脈瘤手術(血管内焼灼術) | 63 | 57 | 81 |
大伏在静脈抜去術 | 8 | 4 | 12 |
小伏在静脈抜去術 | 9 | 11 | 20 |
下肢静脈瘤手術(高位結紮術) ※静脈瘤手術は併施例を含まず |
20 | 14 | 6 |
血行再建術(血管内治療) | 17 | 14 | 25 |
血管形成術 | 3 | 0 | 1 |
四肢切断術(足部・足底) | 12 | 6 | 9 |
午前
診察室 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
---|---|---|---|---|---|
5診 | 川田 | 川田 (処置) (予約診) |
― | ― | ― |
6診 | 川田 | 川田 (エコー) (予約診) |
― | 川田 (予約診) |
― |
午後
診察室 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
---|---|---|---|---|---|
5診 | 川田 | ― | ― | ― | ― |
6診 | 川田 | (エコー) | ― | ― | ― |
初診の患者さんには、「かかりつけ医」等からの紹介状の持参をお願いしています。お持ちでない場合は、選定療養費(保険適応外)のご負担が必要になりますので、ご了承ください。
近年、病院の機能や役割は地域のなかで細分化され、互いに連携しながらそれぞれの役割を果たすことが重要になっています。みなさまの健康管理をより充実したものにするためにも、まずは日頃の診察や健康相談が気軽にできる身近な「かかりつけ医」をお持ちになることをおすすめします。
当院での診療後、症状が落ち着かれたら近隣医療機関へのご紹介をおこなっています。お近くに「かかりつけ医」をお探しの場合は、主治医にお気軽にご相談ください。
おおむね65才以上の方で、精神的または身体的理由で日常生活に常時介護を必要とし、自宅ではお世話を受けることが困難な方を対象としています。
介護が必要な利用者に対して、健康で安定した生活を送っていただくことを目的として、利用者本位の総合的な援助を行います。
要介護、要支援者および居宅介護支援事業からの居宅サービス計画に沿って、利用者の自立とQOLを高め得るに適切な利用者中心のサービスを提供します。
要介護、要支援者の意思および人格を尊重し、利用者の立場に立った適切な指定訪問看護の提供することを目的としています。
子どもの状態を正しく把握し、疾病の早期発見、早期治療に努めています。病院との連携を深め、適切な指導を行います。
地域医療機関と協働し予防医療・健康増進に寄与するため、平成30年11月「健康・医療のまち健都」の駅前複合商業ビルVIERRA(ビエラ)岸辺健都2階フロアに移転します。
病気をかかえていても医療と介護の専門家の目が行き届く環境で通所と宿泊サービス・訪問看護と介護サービスを組み合わせ、慣れ親しんだ地域と家で“身近な人に囲まれていつもの暮らしを続けること”をサポートします。
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