心臓血管外科 | 大阪府済生会吹田病院

心臓血管外科

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心臓血管外科

当科のご紹介

当科は末梢血管外科を専門とし、下肢静脈瘤や末梢動脈性疾患に対する手術を行っています。他に動脈血流障害による虚血性潰瘍・壊死や静脈うっ滞性潰瘍、糖尿病性足病変に対する創傷治療や深部静脈血栓症に対する抗凝固療法等を行っています。

大伏在静脈領域の下肢静脈瘤に対しては、レーザーよりも身体への負担が少なく、疼痛や術後の皮下出血の発症も少ない高周波(ラジオ波)を用いて血管内焼灼術を標準術式とし、本幹以外で目立つ静脈瘤はフックというかぎ針のような特殊な器具を用いたstab avulsion法によって、35㎜程度の小さな創から切除しています。また、小伏在静脈領域の静脈瘤に対しては、焼灼による神経損傷の危険性を回避するために、stab avulsion法で抜去切除術を行っています。 創は小さく縫合不要か皮下埋没縫合ですので、翌日からシャワー浴が可能で、1週間後から浴槽に浸かることも可能です。23日の入院で治療を行いますが、術後1泊2日や外来手術にも対応しています。側枝型静脈瘤や網目状静脈瘤に対しては、外来での硬化療法も行っています。

末梢動脈疾患に対しては、薬物(抗血小板剤や血管拡張剤)投与や歩行運動療法を行っても改善しない短距離で間欠性跛行が出現する症例や、安静時疼痛や潰瘍・壊死を伴う重症虚血肢症例に対して、血行再建を行っています。治療は院内のIVRセンターと連携して血管内治療を第一選択としています。 また、①動脈血流の低下による虚血性潰瘍 ②下肢静脈瘤や慢性下肢静脈不全、深部静脈血栓症による静脈うっ滞が原因の静脈うっ滞性潰瘍 ③糖尿病性神経障害によって外傷、深爪、たこ(胼胝)や魚の目(鶏眼)が悪化した糖尿病性足潰瘍 に対する創傷治療も行っています。

動脈血流障害による虚血性潰瘍に対しては、ABITBI、皮膚潅流圧(SPP)測定等によって血行再建の要否を判断し、血流が不十分な場合は3D-CT検査の結果に基づいてまず血行再建を行って改善し、血流が十分な場合はデブリードマンや局所陰圧閉鎖療法、種々の外用剤・被覆材を用いた治療により、適切な創治癒環境を整えて治癒を目指します。 静脈うっ滞性潰瘍に対しては創傷治療とともに圧迫療法が重要であり、高度の動脈血流障害が無いことを確認後、弾性包帯や弾性ストッキング、着圧ソックス等を用いた圧迫療法を開始し、創傷治療との複合治療で治癒を目指します。 糖尿病性足病変に対しては、虚血を合併している場合は血行再建を先行し、合併していない場合は積極的にデブリードマンを行って、抗生剤投与とともに感染のコントロールを優先します。感染がある程度コントロールできれば、創傷治療を行って治癒を目指します。

早期に治療に介入することで大腿や下腿での大切断を回避するように、可能なら足趾での小切断も回避するように「下肢救済」を目指して治療しています。 これらの治療は、放射線科、糖尿病内科、腎臓内科、循環器内科、皮膚科、形成外科、整形外科、麻酔科等の医師、皮膚・排泄ケア認定(WOC)看護師、リハビリテーション科の理学療法士・作業療法士、薬剤師、管理栄養士等と連携して行っています。