腎不全への取り組み | 大阪府済生会吹田病院

透析センター - 腎不全への取り組み

腎不全への取り組み

慢性腎臓病の初期から終末期まで、患者さんに寄り添う温かい医療を提供します。

増え続ける慢性腎臓病 患者数の割合は成人8人に1人と推定

慢性腎臓病(chronic kidney disease=CKD)は生活習慣病(糖尿病、高血圧、肥満などメタボリックシンドローム)や慢性腎炎などが原因で、腎臓の働きが徐々に悪くなる病気です。患者数は年々増え続け、今や日本では20歳以上の8人に1人がCKDであると推定され、新たな国民病ともいわれています。CKDは自覚症状が出にくいために、自分では気が付かないうちに症状が進行していることがあります。
進行してしまうと、失われた機能を取り戻すことは出来ません。
そのため、腎臓の働きをこれ以上悪くしないことが治療の基本となります。
早期に発見し適切な医療を受けることで、進行を止めたり遅らせたりすることが出来ます。

かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準

じん臓病教室

現在コロナ禍にて開催はしていません。
再開時期はホームページでお知らせいたします。

腎代替療法選択外来

一人一人の方に合った治療法を医師や医療従事者とともに考え選択します。
慢性腎臓病が進行し、末期腎不全に至ることが予測される場合、腎代替療法を選択していただけるように、時間をかけてご本人、家族と治療法についてお話をさせていただき、意思を共有した上で治療法の選択を進めていきます。

腎代替療法

腎機能が10%(eGFRが10ml/分未満)を切るか、クレアチニンの検査が8.0mg/dlを超えると、失われた腎臓の機能を補うため、また腎機能の検査値が上記値に達しなくても、むくみがひどく心不全を起こす場合は、透析療法もしくは腎移植を検討します。

1)腹膜透析

腹膜透析は内臓を守る生体膜である腹膜を利用して血液をきれいにする方法です。
腹膜透析は自宅や職場で行える治療です。
腹膜透析を始める際には、カテーテル挿入術から導入、教育、指導を行っており、ご自宅で安心して腹膜透析治療ができるようにサポートします。退院後も腹膜透析外来にて一貫した対応をしていきます。

2)血液透析

血液透析は体外循環によって透析器を通して血液をきれいにする方法です。
血液透析は、医療施設へ通院して行う治療です。

3)新しい透析医療の考え方

残存腎機能とは、その名の通り、残っている腎機能のことです。腎不全となり、腎臓のはたらきが10%以下に低下しても、腎臓は老廃物や水分の調整、ホルモンの働きなど、生体を維持するための機能をわずかながらも継続しています。
腹膜透析はこの残っている腎臓機能を保護する作用が血液透析に比較して高いと考えられます。
残存腎機能を大切にし、毎日連続的に緩やかな透析を行える腹膜透析は身体にやさしい透析とも言えます。

残存機能とは
これまでは、透析が必要となった場合、腹膜透析が血液透析のどちらかを選択する、とういう考え方が一般的でしたが、2009年の腹膜透析導入基準では、腹膜透析からの透析導入を行う腹膜透析ファースト(PDファースト)の考えがとりあげられています。