検体検査について | 大阪府済生会吹田病院

臨床検査科 - 検体検査について

検体検査について

1.中央採血室

本館2階34番が中央採血室です。8時15分より医師からの指示の下、患者さんの血液を採取し、診療開始前に結果が報告されます。

2.血液検査

シスメックス社 多項目自動血球計数装置

赤血球数・白血球数・血小板数・白血球分類を自動で測定します。
貧血や感染、悪性疾患のスクリーニング検査や治療効果判定の指標に用いられます。

顕微鏡検査

必要に応じて血液塗抹標本を作製します。 臨床検査技師は顕微鏡下で赤血球・白血球・血小板の形態をチェックします。また、白血球を細胞別に分類し、異常な細胞の有無を確認します。 血液疾患(急性白血病、造血器腫瘍、悪性リンパ腫等)が疑われる際は骨髄検査も行われます。

3.凝固検査

シスメックス社 全自動血液凝固測定装置

止血や血栓を溶かす線溶という機能が正常に働いているかを調べます。
抗凝固療法や線溶療法などの治療効果判定にも用いられます。

4.生化学検査

日本電子社

生化学検査は血液や尿に含まれる様々な化学物質を分析する検査です。
当院では約60項目を測定しています。

  • 肝機能検査(AST、ALTなど)
  • 腎機能検査(BUN、CREなど)
  • 脂質・糖代謝検査(コレステロール、血糖など)
  • 心機能(CPK、CK‐MB)
  • 膵機能(AMY、P‐AMY、リパーゼ)
  • 電解質(Na、K、CLなど)
  • 血中濃度(ジゴキシン、バルプロ酸Naなど)
  • その他(リウマチ因子など)

5.免疫血清検査

左)富士レビオ社/(右)東ソー社

免疫血清検査は、生化学検査同様に、血液などに含まれる様々な物質を高感度に分析する検査です。当院では約20項目を測定しています。

  • 感染症(肝炎ウィルス、HIV、など)5項目
  • 腫瘍マーカー(CEA、CA19-9、AFP、PSA、など)7項目
  • ホルモン(甲状腺、BNP)
  • 糖代謝(C-ペプチド、インスリン)
  • 唾液および鼻咽頭ぬぐい液による、コロナ抗原定量

6.一般検査

尿検査(尿定性・尿沈渣)

尿試験紙を用いて赤血球や白血球、尿蛋白や尿糖の有無などを調べます。
また、沈渣の機械と顕微鏡を用いて赤血球や白血球、細菌、上皮細胞、結晶などの有形成分を詳しく調べます。

便潜血(免疫法)

栄研化学

大腸がんのスクリーニング検査に用いられ、下部消化管出血の有無を調べます。
便中ヘモグロビンを免疫法という方法で検出します。

血液ガス

シーメンスヘルスケア

血液ガス分析では、血液中に含まれる酸素や二酸化炭素などの量を調べています。

7.微生物検査

細菌検査(培養・同定・薬剤感受性)

感染症を疑う患者検体から病原微生物を検出し、同定することで起炎菌検索をすることができ、各種抗菌薬の薬剤感受性検査を実施することで、適切な治療方針の決定に役立っています。

培養(BTB寒天培地、血液寒天培地)

培養とは微生物を培地で人工的に増殖させることです。
検体に応じて適切な培地を選択し、培養することで、感染症の起因菌を検出し、後に続く同定検査や薬剤感受性検査に必要な分離菌を得ることができます。

染色(グラム染色鏡検像)

細菌検査の基本的手法の1つにグラム染色があります。グラム染色は、簡便かつ重要な迅速検査法で、細菌・真菌の有無、染色性、菌数ほか、白血球および貪食の有無を観察できます。

同定・薬剤感受性(マイクロプレートと検査装置)
ベックマンコールター社

微生物検査室では、自動細菌同定・薬剤感受性検査装置を設置しています。1枚のマイクロプレートを用い、同定検査と薬剤感受性検査を同時に行うことができます。

遺伝子検査(PCR法)

遺伝子検査装置は、核酸増幅法を原理とし、患者検体から目的の病原遺伝子を検出します。

東洋紡株式会社

微生物検査室では、遺伝子検査装置を設置しており、PCR法を原理とした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検出を行っています。