Vol.3 脱水の話 | 大阪府済生会吹田病院

薬の豆知識 - Vol.3 脱水の話

知ることから始めましょう!
-これからの季節に気をつけたい脱水の話-

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夏になると、日本全国で気温上昇が報道される昨今。気温の上昇とともに気をつけたいのが、“脱水”です。脱水対策は“水分補給だけではありません”。今回は、脱水の原因や対策などについてお話します。脱水について知って、今年の夏を乗り切りましょう。

①脱水(脱水症)とは?

からだから“水分”や“塩分など“が失われた状態を言います。それにより様々な症状が現れますが、”ある程度進行するまでこれといった症状が出にくい“のが、大きな特徴です。そのため、早めの対策が重要となります。

②脱水の主な原因
-様々な原因で脱水が起こり得ます。主な原因を知っておきましょう!-

  • 食事や水分の摂取不足、大量の汗をかく、継続して起こっている下痢・嘔吐・発熱など

③特に注意したい!脱水の主な症状 -下記のような症状が現れたら脱水かな?と疑いましょう-

  • 口が乾く、尿の回数減少、めまい、立ちくらみ、こむら返り、大量の汗、生あくび、頭痛、吐き気、疲労感、倦怠感、判断力の低下など

④脱水を自覚する前に行いたい主な脱水対策 -脱水かな?の前に、早めに対策しましょう!-

その1
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室外だけでなく、室内でもこまめに水分補給※1をする
※1 水やお茶やスポーツドリンクだけでなく、経口補水液(OS-1®など)も検討しましょう! 水分補給方法は年代によって異なるため、詳しくはかかりつけ医などにご確認ください。
その2
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通気性の良い服装を身につける、外出時に帽子や日傘を使い、できる限り日陰を歩く
その3
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睡眠や食事などの生活習慣※2を整える
※2 睡眠不足や体調不良も脱水につながることもあります。
起床時、就寝時にコップ1杯分の水を飲むことも心がけましょう。
その4
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現在服用しているお薬を確認しましょう。
以下のような薬を飲んでいる方は、汗をかきやすい環境などで脱水を起こしやすくなるため、”必ず”かかりつけ医と水分摂取について確認・相談しましょう。

特に注意したい薬
  • 利尿薬(フロセミド、アルダクトン、トルバプタンなど)
  • 糖尿病薬(フォシーガ、ジャディアンス、カナグル、メトホルミンなど)
  • 下剤(マグミット、センノシド、アミティーザなど)

⑤こういう方は特に注意! -誰にでも脱水は起こり得ます。特に下記の方は要注意です!-

特に注意
  • 食べたり、飲んだりする量が減ってきている
  • 成長期の子ども(代謝が活発なため、水分の出入りが激しい)
  • 継続して下痢や嘔吐が続いている

※水分制限などかかりつけ医から指示が出ている場合は、この限りではないため必ずかかりつけ医に確認をしてください。

薬剤部 東野 公亮